3D-GAN:推薦文A
文京学院大学経済学部
准教授 喜多見 康
存在とは、形である。存在すること、実在することは、形状を意味するのだ。この世では、物質が存在するためには、必ず形が伴わなければならない。ならば形を定義し創造する者『クリエーター』とは、語源通りの『造物主』であるわけだ。また『クリエーター』は、概念やイメージという想念上の存在に、姿形を与えることで物質的実在に昇華させるのである。想念を実体に変える力は、人間だけに与えられた創造能力であり、これこそが人類を進化させた原動力であり、人間の人間たる所以であろう。
その人間の創造能力を強化増幅するのがCG(コンピューターグラフィックス)などの3Dツールである。創造のひらめきが産み落とした『形』のイメージは、3D技術のおかげで、形状データに生まれ変わり、蓄積されることで、世界中の人が共有でき、さまざまな用途で使用可能な人類全体の財産になるであろう。
形を定義し、存在を生み出す『クリエーター』の創造能力に光を当て、社会的価値を確立し、産業の発展に貢献することを目指す。3D-GANの果たそうとする役割は大きい。